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[日语]【中日对照】幸福な家庭/幸福的家庭(鲁迅)

[日语]【中日对照】幸福な家庭/幸福的家庭(鲁迅)

幸福な家庭
魯迅
井上紅梅訳



「……するもしないも全く自分の勝手だが、作品というからには、鉄と石とカチ合って出来た火花のようなものでは駄目だ。あの太陽の光のように無限の光源の中から湧き出して来たようなものが、これこそ真の芸術だ。その作者こそ初めて真の芸術家だ。そうして乃公(おれ)は……それしきのことが何だ……」
 彼はそこまで考えると、いきなりベッドから跳起(はねお)きた。彼はずっと前から、原稿料で生活をして行(ゆ)きたいと考えていたが、投稿するなら、まず幸福日報社が好かろうと規(き)めていた。そこは比較的に稿料を余計に呉(く)れるからだ。しかし、作品には一定の範囲があるから、その範囲を越えれば没書になる恐れがある。範囲も範囲だが……現代の青年の脳裏にある大問題は? なかなか少くなさそうだ。いやどっさりあるかもしれない。恋愛、結婚、家庭などと来ては。……そうだ、この点についてはたしかに多くの人が悩んでいて、ちょうど今いろいろ討論中である。では家庭を書いてみよう。それはそうとどんな風に書こうかな……そうしなければ没書になる恐れがあるし、わざわざ時勢に背く必要もない。それはそうと……彼はベッドから跳上(はねあが)ると、五六歩進んでテーブルの前に行(ゆ)き、緑罫の原稿用紙を一枚取ると、ぶっつけに、やや自棄(やけ)気味にもなって、次のような題を書いた。
「幸福な家庭」
 だが、彼の筆はたちどころに渋った。彼は仰向になって両眼を屋根裏に(みは)りながら、「幸福の家庭」の置場を考えてみた。「北京は? 駄目だ。全く沈み切ってしまって空気までも死んでいる。よしんば家庭のまわりを高塀が、ぐるりと囲んでいるにもせよ、まさか空気を遮断することは出来まい。つまり駄目だ! 江蘇浙江(こうそせっこう)は毎日戦争の防備をしているし、福建(ふくけん)と来たらなおさら盛んだ。四川(しせん)、広東(カントン)は? ちょうど今戦争の真最中だし、山東(さんとう)、河南(かなん)の方は? おお土匪(どひ)が人質を浚(さら)ってゆく。もし人質に取られたら、幸福な家庭はすぐに不幸な家庭になってしまう。そうかといって上海(シャンハイ)、天津(てんしん)の租界へ置けば家賃が高い。じゃ外国へ置くとしたらいい笑い話だ。雲南(うんなん)、貴州(きしゅう)は交通があまりに不便で、どんな風だか解らん……」彼は思いめぐらしてみたが、適当の場所を想い出せない。そこでA(エー)と仮定した。「今でもアルファベットで人名地名を書き現わすと、読者の興味を減少するという者が少くはない。今度の俺の投稿では、これを用いない方が安全だ。それでは、どこがいいだろうかな? 湖南(こなん)も戦争だ。大連(たいれん)はやはり家賃が高い。察哈爾(チチハル)、吉林(きちりん)、黒竜江(こくりゅうこう)は――、馬賊が出るというし、こいつもいけない!……」そこで、いくら考えてみても格別にこれといった所もないので、「幸福な家庭」の所在はAということに仮定した。
「つまり、この幸福の家庭がAに在ると極(き)めれば問題はない。家庭にはもちろん一組の夫婦があって、とりもなおさず、それが主人と主婦で、自由結婚だ。彼等は四十何個条かの非常に詳細な、だから極めて平等な、十分に自由な条約を訂結(ていけつ)している。それに高等な教育と、高尚にして優美な……しかし日本の留学生はもう流行らない。――そんなら仮りに西洋の留学生としておこう。主人はいつも洋服を著(き)て、ハードカラーはいつも雪のように真白。夫人は髪の毛に鏝(こて)をかけ、雀の巣のようなモヤモヤの中から雪白の歯を露(あら)わしているが、著物は支那服で……」
「駄目々々、そいつは駄目だ! 二十五斤だよ!」
 窓の外で男の声が聞えたので、彼は思わず頭を横にしてみたが、カーテンは垂れているし、日の光は射し込んで目が眩むばかり。続いて木ッ端をバラ撒くような響がした。
「俺には関係の無い事だ」と思ってみたが
「何が二十五斤なのだろう?」と考えた。
「――彼等は優美高尚で、文芸を深く愛する。けれども幸福に生長して来た人だから、ロシヤの小説は好まない……と云うのは、下等な人間が描かれることが多いからで、こうした家庭には不向なのだ。オヤ『二十五斤』だって? 関係の無いことだ。それでは、彼等はどんな本を読むのだろうか?――バイロンの詩か? それともキーツの詩か? どうもぴったりと来ないな。あー、有ったぞ。彼等は『理想の良人(おっと)』を愛読するだろう。俺はまだ読んではいないが、既に大学の教授が称讃(しょうさん)しているというくらいなら、彼等もきっと愛読して、どこの家庭にも一つずつ備えてあるに違いない……」
 彼は胃袋が虚空(からっぽ)になったのを感じた。筆を置いて、両手で頭を支えると、自分の頭はまるで二つの柱に立てかけた地球儀のようであった。
「彼等二人は、ちょうどお中食(ちゅうじき)をしているに違いない……」と彼は思った。「[#「「」は底本では欠落]テーブルの上には真白な布が敷かれて、コックがお菜(さい)を運んで来る。たぶん支那料理だろう。
「二十五斤」なんてことは、彼等と関係のない事だ。しかし、なぜ支那料理にするのだろう? 西洋人はいっている。支那料理は最も進歩したものである。最も美味で、かつ衛生的であると。彼等が支那料理を採るのはそのためだ。さて、一番初めに運んで来たのは何だろうか?……」
「薪ですよ……」
 彼は吃驚(びっくり)してふり返ってみると、左の肩に添うて自分の家(うち)の主婦が両眼(りょうがん)を彼の顔に物凄く釘づけして立っている。
「何だ?」
 また自分の創作が邪魔されるのかと思ってすこぶる腹が立つ。
「薪を使い切ってしまいましたから、今日ちっとばかり買ったんですが。前には十斤で両吊四(リャンテウスー)だったのに、今日は両吊六(リャンテウリョウ)だというのです。私は両吊五(リャンテウウー)でもやればいいと思いますがいいでしょうか?」
「よし、よし。両吊五(リャンテウウー)でも」
「とても秤(はかり)を誤魔化(ごまか)すんですよ。薪屋はどうしても二十四斤半というのだけれど、私は二十三斤半で勘定してやればいいと思います。どうでしょうかね?」
「よし、よし。二十三斤半払ってやれ」
「それなら、五五の二十五、三五の十五……」
「ウムウム――。五五の二十五、三五の十五……」
 彼もまたそれから先きが言えなくなってちょっとまごついたが、たちまち躍起となって筆を採り、一行ばかり書きかけた「幸福の家庭」の原稿用紙の上に数字を書き始め、しばらく勘定してからやっと頭を挙げて云った。
「五吊八(ウーテウパ)だ!」
 彼はテーブルの引き出しから有りったけの銅元を攫み出し、それは二三十よりは少くないものを、拡げている妻の掌(て)の上に置き、妻が出て行(ゆ)くのを見て、ようやく机に向ったが、彼の頭の中は薪駄っぽの事で一杯だった。五五の二十五と、まだ頭の中は亜剌比亜(アラビア)数字で混乱していた。彼は深く息を吸って、力強く吐き出してみた。これで頭の中から薪駄っぽと五五の二十五と、亜剌比亜(アラビア)数字の幻影を追い出そうと思ったのだ。果して、息を吐いてから気持も尠(すくな)からず軽くなった。そこでまた恍惚として思いを馳せるのであった――
「どんな御馳走だろうな。珍奇な物でも差支えない。豚のロースの葛掛や粉海老の海参(いりこ)じゃあんまり平凡だ。乃公は是非とも彼等の食い物を『竜虎闘(りゅうことう)』にしたい。しかし『竜虎闘』とは一体どんな物かね? ある人はこれは蛇と猫を用い、広東(カントン)の貴重な料理で大きな宴会でなければ使わないと言ったが、わたしはかつて江蘇(こうそ)の飯屋の献立表でこれを見たことがある。江蘇人は蛇や猫なんかは食うはずがないからたぶん、蛙と鰻のことを指したのであろう。一体、この主人公と夫人は、どこの土地の人に規(き)めたんだっけな?――そんな事は彼等には関係がない。どこの国の人であろうが蛇や猫、あるいは蛙や鰻を一杯くらい食ったって、幸福な家庭を傷つけるものではない。で、つまりだ、最初の一碗は『竜虎闘』としておいても決して差支えない。
 そこで『竜虎闘』がテーブルの中央に置かれて、彼等は箸を著け、互いに顔を見合せてニッコとしながら
『My dear please.』
『Please you eat first, my dear.』
『Oh no! please you!』
 と来るかな。そこで彼等は同時に箸を著け、同時に一塊(いっかい)の蛇肉を抓(つま)む。――いやいや。どうも蛇肉ではグロだ。やっぱり鰻という方がいい。そんならこの『竜虎闘』は蛙と鰻で作ったものということになるので、彼等は同時に一塊の鰻を挟む。大きさは皆同じで五五の二十五と、三五の……こいつはいけない。そして、同時に口に入れる……」
 彼はそのうち我慢し切れなくなって振向いてみようかと思った。というのはたちまち背後が非常に騒々しくなり、人が二三囘往ったり来たりするのだが、それでもよく持ちこたえてざわめきの中で思いを接(つな)いでいる。
「これや少し擽(くすぐ)ったいな。こんな家庭があるだろうか。おや、おや、俺の思索はどうしてこんなに乱れるだろう。題目はこんなに好(い)いのだが出来そうも無さそうだ。
 そこでと、特に留学生と規めることもないだろう。国内で高等教育を受けた者でもいい。彼等は大学の卒業生だ。高尚で優美で、高尚で……。男は文学者だし、女も文学者だ。あるいは文学の崇拝者でもいい。また、女は詩人で、男は詩人崇拝家、フェミニスト、あるいは……」
 堪(こら)え切れなくなって彼はふり返ってみた。すると、彼の背後の本棚の脇には已(すで)に一山の白菜置場が出現している。下層は三株、真中が二株、上が一株で、彼に向ってはなはだ大きなA字を畳み上げている。
「ああ!」
 彼は驚きの歎息を発した。それと同時に顔が熱くなって、脊骨をたくさんの針にでも刺されるように感じた。「ウウウ……」と彼は永い息を吐いて、脊骨の針を除こうと思いながら、それでも考え続けるのだった。「幸福な家庭」の部屋は広いし、それに物置もあることだろうから、白菜みたいな物はそっちの方にやっておくさ。主人公の書斎は別に一間あって、壁は一面の書棚で埋っているから、その附近にはもちろん、白菜なぞは積んで置かれはしない。書棚には支那の書物、外国の書物、例の『理想の良人(おっと)』もある訳(わけ)だな。――上下二冊揃だ。寝室がまた一間あって、真鍮のベッドかな。それとも質素を旨として第一監獄工場で作った楡の木のベッドでもいいが。ベッドの下は非常に清潔だ……」
 彼は自分のベッドの下に眼を呉れると、薪はもう使い切らして、縄が一本、死んだ蛇のように物憂く横たわっている。
「二十三斤半……」
 彼が薪がまもなくベッドの下に行水(ゆくみず)の流れは絶えず進んで来るのを予想すると頭の中がまたガサガサになって入口へ行って門を締めようと思った。しかし両手を門に掛けると、すぐに、これは少し気短かに過ぎると感じて、出しかけた手を引込め、埃のたくさん溜った布簾(カーテン)を放下(ほか)した。こういう風だと自己を守って閉じ籠るほどの強情もなく、また門戸を開放する不安もないのだから、これこそはなはだ「中庸の道」に合するものだと思ってもみた。
「……だから主人公の書斎のドアは、とこしえに締めておくものだ」
 彼は席に戻って来て腰を下した。
「用事があって相談したいなら、まずドアをノックして、許可を得てから入って来る。この方法は実際いい。たとい主人公が自分の部屋に坐して主婦が来て文芸の話をするにもせよ、まず第一にドアがノックされねばならぬ。――こういう風なら安心していられる。彼女が白菜なぞを抱え込んで来るはずがないのだから
『Come in, please my dear.』
 しかしだ。主人公が文芸なぞを語っている閑がない時にはどうしたものだろう。いっそ放(ほ)ったらかしておくか。彼女が外に立って、いつまでもドンドン叩いていたら? そんなことはまずまず出来ないことだ。そういうことは、ひょっとすると、『理想の良人』の中に出ているかもしれない。あれはたしかにいい小説に違いない。今度原稿料が入ったら一冊買ってみてやろう……」
 ピシャリ!
 彼の腰ッ骨は、ピンとなった。と云うのもこれまでの経験で、このピシャリの音は、妻が三つになる女の子の頭をひっぱたく音だからだ。
「幸福な家庭……」彼は子供のしゃくり上げる声を聞きつけた。
 彼はまだ腰をピンとさせたまま考えていた。
「子供は遅く出来るものは遅く出来るが、あるいはいっそない方がいいのかもしれない。二人でキレイさっぱりと――あるいはいっそ下宿住まいをする方がいいのかもしれない、あとは何もかもあいつ等に請負わせて、自分一人でキレイさっぱりと」
 啜り泣きの声がますます大きくなってきたので、彼はまたも立上り、門幕(カーテン)を潜(くぐ)り出て、「マルクスは子供の泣声の中でも、資本論を書き上げたから彼は偉人である……」と、考えながら、外に出て風除けの戸を開けると、石油の匂いがぷんとした。子供は門の右辺に横たわって顔を地面(じべた)に向けていたが、彼の顔を見るとわっと泣き出した。
「おお、よしよし。泣くでないぞ泣くでないぞ。好い子だ」
 と、彼は腰を曲げて女の子を抱いた。
 彼が子供を抱いて行(ゆ)こうとすると、門の左の所には妻が立っていて、腰骨を真直ぐにして両手を腰に置き、怒気憤々(どきふんぷん)としてさながら体操の操練(そうれん)でも始めそうな勢(いきおい)。
「あなたまでもわたしを馬鹿にするんだね。人の仕事の手伝いもしないで、邪魔するだけだ。――その上、洋灯(ランプ)をひっくりかえしったら晩には何を点(つ)けるんです?……」
「おお、よしよし、泣くでないぞ泣くでないぞ」
 彼は顫(ふる)え声を跡に残して子供を部屋に抱き入れ、頭を撫でて「好い子だ好い子だ」といいながら下へ卸し、椅子を引寄せて子供を両膝の間に置いて坐し、手を上げて言った。「泣くでないぞ、好い子だから、お父さんはね、猫が顔を洗うところを見せてやるぞ」と、彼は首を伸してペロリと舌を出し、手の掌(ひら)を離して二度ばかり空(くう)を舐めて、その手で自分の顔の上に円を描いてみせた。
「あ、ははは、乞食」
 子供はすぐに笑い出した。
「そうそう、乞食だ」
 彼はまたしてもいくつも円を描いてようやく手を休めてみると、子供はにこにこ笑いながら、涙に濡れている眼で彼を見ている。何んと云う可愛らしい、天真な顔だろうと彼は思った。ちょうど五年ばかり前、この子の母親の脣(くちびる)がこんなに真紅(まっか)だったが、これはその縮少(しゅくしょう)だと思えばいいだろう。あの時は晴れ渡った冬の日で、彼女は、俺がどんな障害にも反抗し、彼女のためであったなら甘んじて犠牲になると云うのを聴いて、この通りに莞爾(にっこ)と笑いながら、涙で一杯になった眼で俺を見たのではなかったか。彼はぼんやりして、そこに坐ったまま、少しは醉(え)い心地になった。
「ああ、可愛い脣……」
 と、彼は思いに耽っていた。
 突然だった。カーテンが開かれて、薪が運ばれて来た。彼はハッとした。子供はまだ涙で一杯になった眼で、真紅(まっか)な脣を開(あ)いたまま彼を見ている。
「脣……」
 彼が側(そば)に眼を呉れた時は、薪はもう運ばれていた。「……おそらくは将来これもまた五五の二五、九九八十一にでもなるんだろう! 二つの眼玉を気味悪く光らせて……」彼はこう思いながら、表題だけ書いた原稿用紙と計算の数字を書いた原稿用紙を手荒く引張り出し、それを揉苦茶(もみくちゃ)にしてまた引き延ばし、子供の涙や鼻涕(はなじる)を拭き取った。
「好い子だから向うへ行って一人でお遊び」
 彼は子供を推しのけながら、紙を丸めて力任せに紙屑籠の中に抛り込んだ。
 彼は子供にも、フイと飽き足らなくなったが、重ねてまた振返えると子供がヨチヨチ部屋を出て行(ゆ)くのを見た。耳には木ッ端の音を聞きながら。
 彼は気を落著(おちつ)けようとして眼を閉じ、雑念を拒止(きょし)して心を落著けて腰を下した。彼は一つのひらたい丸い黒い花が、黄橙(おうとう)の心(しん)をなして浮き出し左眼(さがん)の左角(ひだりかど)から漂うて右に到って消え失せた。続いて一つの明緑花(めいりょくか)と黒緑色(こくりょくしょく)の心と、続いて六株(むかぶ)の白菜の積荷がきッぱりと彼に向ってはなはだ大きなA字を形成した。

(一九二四年三月十八日)


___________


                                 幸福的家庭〔1〕
                                    ——拟许钦文

  “……做不做全由自己的便;那作品,像太阳的光一样,从无量的光源中涌出来,不像石火,用铁和石敲出来,这才是真艺术。那作者,也才是真的艺术家。——而我,……这算是什么?……”他想到这里,忽然从床上跳起来了。以先他早已想过,须得捞几文稿费维持生活了;投稿的地方,先定为幸福月报社,因为润笔似乎比较的丰。但作品就须有范围,否则,恐怕要不收的。范围就范围,……现在的青年的脑里的大问题是?……大概很不少,或者有许多是恋爱,婚姻,家庭之类罢。……是的,他们确有许多人烦闷着,正在讨论这些事。〔2〕那么,就来做家庭。然而怎么做做呢?……否则,恐怕要不收的,何必说些背时的话,然而……。他跳下卧床之后,四五步就走到书桌面前,坐下去,抽出一张绿格纸,毫不迟疑,但又自暴自弃似的写下一行题目道:《幸福的家庭》。
  他的笔立刻停滞了;他仰了头,两眼瞪着房顶,正在安排那安置这“幸福的家庭”的地方。他想:“北京?不行,死气沉沉,连空气也是死的。假如在这家庭的周围筑一道高墙,难道空气也就隔断了么?简直不行!江苏浙江天天防要开仗;福建更无须说。四川,广东?都正在打。〔3〕山东河南之类?——阿阿,要绑票〔4〕的,倘使绑去一个,那就成为不幸的家庭了。上海天津的租界上房租贵;……假如在外国,笑话。云南贵州不知道怎样,但交通也太不便……。”他想来想去,想不出好地方,便要假定为A了,但又想,“现有不少的人是反对用西洋字母来代人地名的〔5〕,说是要减少读者的兴味。我这回的投稿,似乎也不如不用,安全些。那么,在那里好呢?——湖南也打仗;大连仍然房租贵;察哈尔〔6〕,吉林,黑龙江罢,——听说有马贼,也不行!……”他又想来想去,又想不出好地方,于是终于决心,假定这“幸福的家庭”所在的地方叫作A。
  “总之,这幸福的家庭一定须在A,无可磋商。家庭中自然是两夫妇,就是主人和主妇,自由结婚的。他们订有四十多条条约,非常详细,所以非常平等,十分自由。而且受过高等教育,优美高尚……。东洋留学生已经不通行,——那么,假定为西洋留学生罢。主人始终穿洋服,硬领始终雪白;主妇是前头的头发始终烫得蓬蓬松松像一个麻雀窠,牙齿是始终雪白的露着,但衣服却是中国装,……”
  “不行不行,那不行!二十五斤!”
  他听得窗外一个男人的声音,不由的回过头去看,窗幔垂着,日光照着,明得眩目,他的眼睛昏花了;接着是小木片撒在地上的声响。“不相干,”他又回过头来想,“什么‘二十五斤’?——他们是优美高尚,很爱文艺的。但因为都从小生长在幸福里,所以不爱俄国的小说……。俄国小说多描写下等人,实在和这样的家庭也不合。‘二十五斤’?不管他。那么,他们看看什么书呢?——裴伦的诗?吉支〔7〕的?不行,都不稳当。——哦,有了,他们都爱看《理想之良人》〔8〕。我虽然没有见过这部书,但既然连大学教授也那么称赞他,想来他们也一定都爱看,你也看,我也看,——他们一人一本,这家庭里一共有两本,……”他觉得胃里有点空虚了,放下笔,用两只手支着头,教自己的头像地球仪似的在两个柱子间挂着。
  “……他们两人正在用午餐,”他想,“桌上铺了雪白的布;厨子送上菜来,——中国菜。什么‘二十五斤’?不管他。为什么倒是中国菜?西洋人说,中国菜最进步,最好吃,最合于卫生〔8〕:所以他们采用中国菜。送来的是第一碗,但这第一碗是什么呢?……”
  “劈柴,……”
  他吃惊的回过头去看,靠左肩,便立着他自己家里的主妇,两只阴凄凄的眼睛恰恰钉住他的脸。
  “什么?”他以为她来搅扰了他的创作,颇有些愤怒了。
  “劈架,都用完了,今天买了些。前一回还是十斤两吊四,今天就要两吊六。我想给他两吊五,好不好?”
  “好好,就是两吊五。”
  “称得太吃亏了。他一定只肯算二十四斤半;我想就算他二十三斤半,好不好?”
  “好好,就算他二十三斤半。”
  “那么,五五二十五,三五一十五,……”
  “唔唔,五五二十五,三五一十五,……”他也说不下去了,停了一会,忽而奋然的抓起笔来,就在写着一行“幸福的家庭”的绿格纸上起算草,起了好久,这才仰起头来说道:
  “五吊八!”
  “那是,我这里不够了,还差八九个……。”
  他抽开书桌的抽屉,一把抓起所有的铜元,不下二三十,放在她摊开的手掌上,看她出了房,才又回过头来向书桌。他觉得头里面很胀满,似乎桠桠叉叉的全被木柴填满了,五五二十五,脑皮质上还印着许多散乱的亚剌伯数目字。他很深的吸一口气,又用力的呼出,仿佛要借此赶出脑里的劈柴,五五二十五和亚刺伯数字来。果然,吁气之后,心地也就轻松不少了,于是仍复恍恍忽忽的想——“什么菜?菜倒不妨奇特点。滑溜里脊,虾子海参,实在太凡庸。我偏要说他们吃的是‘龙虎斗’。但‘龙虎斗’又是什么呢?有人说是蛇和猫,是广东的贵重菜,非大宴会不吃的。但我在江苏饭馆的菜单上就见过这名目,江苏人似乎不吃蛇和猫,恐怕就如谁所说,是蛙和鳝鱼了。现在假定这主人和主妇为那里人呢?——不管他。总而言之,无论那里人吃一碗蛇和猫或者蛙和鳝鱼,于幸福的家庭是决不会有损伤的。总之这第一碗一定是‘龙虎斗’,无可磋商。
  “于是一碗‘龙虎斗’摆在桌子中央了,他们两人同时捏起筷子,指着碗沿,笑迷迷的你看我,我看你……。
  “‘My dear,please.’
  “‘Please you eat first,my dear.’
  “‘Oh no,please yor!’〔10〕
  “于是他们同时伸下筷子去,同时夹出一块蛇肉来,——不不,蛇肉究竟太奇怪,还不如说是鳝鱼罢。那么,这碗‘龙虎斗’是蛙和鳝鱼所做的了。他们同时夹出一块鳝鱼来,一样大小,五五二十五,三五……不管他,同时放进嘴里去,……”他不能自制的只想回过头去看,因为他觉得背后很热闹,有人来来往往的走了两三回。但他还熬着,乱嘈嘈的接着想,“这似乎有点肉麻,那有这样的家庭?唉唉,我的思路怎么会这样乱,这好题目怕是做不完篇的了。——或者不必定用留学生,就在国内受了高等教育的也可以。他们都是大学毕业的,高尚优美,高尚……。男的是文学家;女的也是文学家,或者文学崇拜家。或者女的是诗人;男的是诗人崇拜者,女性尊重者。或者……”他终于忍耐不住,回过头去了。
  就在他背后的书架的旁边,已经出现了一座白菜堆,下层三株,中层两株,顶上一株,向他叠成一个很大的A字。
  “唉唉!”他吃惊的叹息,同时觉得脸上骤然发热了,脊梁上还有许多针轻轻的刺着。“吁……。”他很长的嘘一口气,先斥退了脊梁上的针,仍然想,“幸福的家庭的房子要宽绰。有一间堆积房,白菜之类都到那边去。主人的书房另一间,靠壁满排着书架,那旁边自然决没有什么白菜堆;架上满是中国书,外国书,《理想之良人》自然也在内,——一共有两部。卧室又一间;黄铜床,或者质朴点,第一监狱工场做的榆木床也就够,床底下很干净,……”他当即一瞥自己的床下,劈柴已经用完了,只有一条稻草绳,却还死蛇似的懒懒的躺着。
  “二十三斤半,……”他觉得劈柴就要向床下“川流不息”的进来,头里面又有些桠桠叉叉了,便急忙起立,走向门口去想关门。但两手刚触着门,却又觉得未免太暴躁了,就歇了手,只放下那积着许多灰尘的门幕。他一面想,这既无闭关自守之操切,也没有开放门户之不安:是很合于“中庸之道”〔11〕的。
  “……所以主人的书房门永远是关起来的。”他走回来,坐下,想,“有事要商量先敲门,得了许可才能进来,这办法实在对。现在假如主人坐在自己的书房里,主妇来谈文艺了,也就先敲门。——这可以放心,她必不至于捧着白菜的。
  “‘Come in,please,my dear.’〔12〕
  “然而主人没有工夫谈文艺的时候怎么办呢?那么,不理她,听她站在外面老是剥剥的敲?这大约不行罢。或者《理想之良人》里面都写着,——那恐怕确是一部好小说,我如果有了稿费,也得去买他一部来看看……。”
  拍!
  他腰骨笔直了,因为他根据经验,知道这一声“拍”是主妇的手掌打在他们的三岁的女儿的头上的声音。
  “幸福的家庭,……”他听到孩子的呜咽了,但还是腰骨笔直的想,“孩子是生得迟的,生得迟。或者不如没有,两个人干干净净。——或者不如住在客店里,什么都包给他们,一个人干干……”他听得呜咽声高了起来,也就站了起来,钻过门幕,想着,“马克思在儿女的啼哭声中还会做《资本论》,所以他是伟人,……”走出外间,开了风门,闻得一阵煤油气。孩子就躺倒在门的右边,脸向着地,一见他,便“哇”的哭出来了。
  “阿阿,好好,莫哭莫哭,我的好孩子。”他弯下腰去抱她。
  他抱了她回转身,看见门左边还站着主妇,也是腰骨笔直,然而两手插腰,怒气冲冲的似乎豫备开始练体操。
  “连你也来欺侮我!不会帮忙,只会捣乱,——连油灯也要翻了他。晚上点什么?……”
  “阿阿,好好,莫哭莫哭,”他把那些发抖的声音放在脑后,抱她进房,摩着她的头,说,“我的好孩子。”于是放下她,拖开椅子,坐下去,使她站在两膝的中间,擎起手来道,“莫哭了呵,好孩子。爹爹做‘猫洗脸’给你看。”他同时伸长颈子,伸出舌头,远远的对着手掌舔了两舔,就用这手掌向了自己的脸上画圆圈。
  “呵呵呵,花儿。”她就笑起来了。
  “是的是的,花儿。”他又连画上几个圆圈,这才歇了手,只见她还是笑迷迷的挂着眼泪对他看。他忽而觉得,她那可爱的天真的脸,正像五年前的她的母亲,通红的嘴唇尤其像,不过缩小了轮廓。那时也是晴朗的冬天,她听得他说决计反抗一切阻碍,为她牺牲的时候,也就这样笑迷迷的挂着眼泪对他看。他惘然的坐着,仿佛有些醉了。
  “阿阿,可爱的嘴唇……”他想。
  门幕忽然挂起。劈柴运进来了。
  他也忽然惊醒,一定睛,只见孩子还是挂着眼泪,而且张开了通红的嘴唇对他看。“嘴唇……”他向旁边一瞥,劈柴正在进来,“……恐怕将来也就是五五二十五,九九八十一!……而且两只眼睛阴凄凄的……。”他想着,随即粗暴的抓起那写着一行题目和一堆算草的绿格纸来,揉了几揉,又展开来给她拭去了眼泪和鼻涕。“好孩子,自己玩去罢。”他一面推开她,说;一面就将纸团用力的掷在纸篓里。
  但他又立刻觉得对于孩子有些抱歉了,重复回头,目送着她独自茕茕的出去;耳朵里听得木片声。他想要定一定神,便又回转头,闭了眼睛,息了杂念,平心静气的坐着。他看见眼前浮出一朵扁圆的乌花,橙黄心,从左眼的左角漂到右,消失了;接着一朵明绿花,墨绿色的心;接着一座六株的白菜堆,屹然的向他叠成一个很大的A字。

                                        一九二四年二月一八日。

  〔1〕 本篇最初发表于一九二四年三月一日上海《妇女杂志》月刊第十卷第三号。
  本文发表时篇末有作者的《附记》如下:“我于去年在《晨报副刊》上看见许钦文君的《理想的伴侣》的时候,就忽而想到这一篇的大意,且以为倘用了他的笔法来写,倒是很合式的;然而也不过单是这样想。到昨天,又忽而想起来,又适值没有别的事,于是就这样的写下来了。只是到末后,又似乎渐渐的出了轨,因为过于沉闷些。我觉得他的作品的收束,大抵是不至于如此沉闷的。但就大体而言,也仍然不能说不是“拟”。二月十八日灯下,在北京记。”
  许钦文,浙江绍兴人,当时的青年作家。著有短篇小说集《故乡》等。他的《理想的伴侣》是因一九二三年八月《妇女杂志》第九卷第八号刊出的“我之理想的配偶”征文启事而写的一篇讽刺小说,载于同年九月九日北京《晨报副刊》。
  〔2〕 指当时一些报刊关于恋爱、婚姻、家庭问题的讨论。如一九二三年五、六月间《晨报副刊》进行的“爱情定则”的讨论;《妇女杂志》关于理想配偶的征文以及出版“配偶选择号”(第九卷第十一号)等。
  〔3〕 关于江浙等地的战争,当指江苏军阀齐燮元与浙江军阀卢永祥的对峙;直系军阀孙传芳与福建军阀王永泉等人的战争;四川军阀杨森对熊克武的战争;广东军阀陈炯明与桂系、滇系军阀的战争;湖南军阀赵恒惕对谭延笥的战争。
  〔4〕 绑票 旧时盗匪把人劫走,强迫被劫持者的亲属出钱赎买,称为绑票。当时山东、河南是土匪头子孙美瑶、“老洋人”等活动的地区,经常发生这类事件。
  〔5〕 关于罗马字母代替小说中人名地名问题,一九二三年六月至九月间《晨报副刊》上曾有过争论。八月二十六日该刊所载郑兆松的《罗马字母问题的小小结束》认为:“小说里羼用些罗马字母,不认识罗马文字的大多数民众看来,就会产生出一种厌恶的情感,至少,也足以减少它们的普遍性。”
  〔6〕 察哈尔 指当时的察哈尔特别区。一九二八年改设省。一九五二年撤销,分别并入河北、山西两省和内蒙古自治区。
  〔7〕 裴伦(G.G.Byron,1788—1824)通译拜伦,英国诗人。著有长诗《唐·璜》、诗剧《曼佛雷特》等。吉支(J.Keats,1795—1821),通译济慈,英国诗人。著有《为和平而写的十四行诗》、长诗《伊莎贝拉》等。
  〔8〕 《理想之良人》 即四幕剧《An Ideal Husband》,英国王尔德(O.Wilde,1856—1900)著。该剧在“五四”前被译成中文,曾连载于《新青年》第一卷第二、三、四、六号和第二卷第二号。
  〔9〕 关于西洋人称赞中国菜,作者曾在《华盖集续编·马上支日记》中这样说过:“近年尝听到本国人和外国人颂扬中国菜,说是怎样可口,怎样卫生,世界上第一,宇宙间第n。但我实在不知道怎样的是中国菜。我们有几处是嚼葱蒜和杂和面饼,有几处是用醋,辣椒,腌菜下饭;还有许多人是只能舐黑盐,还有许多人是连黑盐也没得舐。中外人士以为可口,卫生,第一而第n的,当然不是这些;应该是阔人,上等人所吃的肴馔。”
  〔10〕 这三行英文的意思是:“我亲爱的,请。”“你请先吃,我亲爱的。”“不,你请!”
  〔11〕 “中庸之道” 儒家学说。据宋代朱熹《中庸章句集注》:“中者,不偏不倚,无过不及之名;庸,平常也。”
  〔12〕 这一行英文的意思是:“请进来,我亲爱的。”

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